所得税の確定申告を間違えたとき

所得税の確定申告も終わりましたが、人間は過ちを犯すもの。税額の計算を間違えたり、申告書の提出が間に合わなかったという場合があります。このような事に気づいた際には、できるだけ早めの対処が必要です。

◆税額の計算を間違えて申告してしまった時
 税額を多く申告してしまった場合と少なく申告してしまった場合で対応が異なります。税額を多く申告してしまった場合は1年以内に「更正の請求書」を税務署に提出すれば、税務署の審査後に払いすぎた税金が戻ってきます。

 一方、税額を少なく申告してしまった場合は「修正申告書」を税務署に提出します。同時に不足分の税額を支払うことになりますが、申告期限(3月15日)の翌日から納付日までの日数分の延滞税も併せて支払うことになります。なお、税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると過少申告加算税がかかってしまいます。
 なお、延滞税は納期限(3月15日)の翌日から2ヶ月間は年4.1%(平成18年分)、それ以降は年14.6%になります。また、過少申告加算税は不足税額の10%相当額です。ただし、不足税額が当初申告税額または50万円よりも多い部分については15%になります。

◆申告書の提出が間に合わなかった時
 一刻も早い申告(期限後申告)が必要です。期限後申告の場合は無申告加算税がかかります。税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をしていれば無申告加算税が5%に軽減されますが、税務署の調査後だと無申告加算税は15%(50万円超の部分は20%)にもなってしまいます。また、税額を少なく申告してしまった場合と同様、申告期限の翌日から納付日までの日数分の延滞税もかかります。

役員退職金のメリットと決め方

最近、話題になることが多い2007年問題とは、団塊世代で一番数が多い昭和22年生まれの人が2007年に定年(60歳)を迎え、大量退職することで発生する諸問題を指します。改正高年齢者雇用安定法によって定年以降も働ける環境づくりが会社に求められていますが、定年を機に退職する社員も多いのではないでしょうか。
 
 また、定年退職する人の中には役員もいます。長年、会社のために尽くしてくれた役員ですから、より多くの退職金を支払いたいと考える経営者は少なくありません。

 税務上、役員退職金を支払うと以下のメリットがあります。
■過大でない限り会社の損金にできる(節税になる)。
■役員は比較的に税負担の軽い退職金扱いで収入を得ることができる。
また、死亡退職金の場合には以下のメリットもあります。
■遺族は500万円×法定相続人数まで税負担なしで受け取れる。
■一定の条件において株の評価額が下がるため、自社株の相続が発生する場合は相続税が安くなる。

 役員退職金の額は、定款または株主総会で決めることになっています。一般的には株主総会、または株主総会の一任を受けた取締役会で決議するケースが多いでしょう。しかし、決議さえすればいくらでもOKというわけではありません。役員退職金の額が適正ではない(過大)と判定された場合、その過大分は会社の損金にすることができないのです。

 一般的に適正な退職金の額は、最終報酬月額×在任年数×功績倍率(3倍程度)が目安とされ、それに同規模他社の功績倍率、退職に至った事情、在任中の功績等を勘案して判定されます。
 あらかじめ、これらの適正な基準を決めた役員退職金規程を作成しておけば、問題が発生する可能性が低くなります。

会社の決算月はいつがいい?

あなたの会社の決算月は最適ですか?

 会社を設立しようとする時、必ず決めなければならないのが決算月です。決算月とは会社の事業年度の終了する月をいいます。「当社は3月決算です」というのは、その会社の事業年度が4月から翌年3月であることを示しています。

 この決算月を適当に決めてしまっている会社が多くあります。決算月を決めた理由として良く聞くのは、「3月決算の会社が多いから」「設立日から1年後だから」「その月が比較的に暇だから」「知人や専門家に勧められたから」「なんとなく」などです。

 しかし、会社の決算月は経営的にも税務的にも重要です。なぜなら、その事業年度の成果は決算月に決まります。銀行や投資家、取引先、就職希望者などに公開する財務資料や支払うべき税金は決算月にほぼ決まってしまうのです。決算調整という処理もありますができることはごく僅かです。

 では、決算月に最適な月はいつかといえば、一般的には「売上の最も大きな月」の前の月。つまり、「売上の最も大きな月」を事業年度の開始月にするのです。というのは、「売上が最も多きな月」とは「最も期待が大きい月」、裏返せば「期待はずれの場合にもっともダメージが大きな月」になります。これが決算月だとしたら、そのダメージを取り返す猶予がありません。逆に、決算月に期待以上に売上が上がって大きな利益(=大きな税金)が予想される場合でも、得た売上を経費に回して節税対策をする猶予がないのです。さらに、決算月に大きな売上が上がると、その2ヶ月後にはその分の消費税を法人税と一緒に納付しなければなりません。手形取引などの場合は資金繰り的にも厳しいわけです。

 これが事業年度の開始月であれば、これらの対策を行う猶予はたっぷりあります。

相続税対策

 相続税対策で良く利用されている方法が「生前贈与」です。これは、年間110万円までなら贈与税がかからないことを利用して、計画的に子供などに財産を贈与していく方法です。たった年間110万円?と思う方もいるかもしれませんが、相続税には大きな控除が用意されているため、少しでも相続財産を減らしておけば大きな効果を得られるケースも多いのです。

 しかし、実際にこの生前贈与を行うとなると問題もあります。

 まず、贈与するのは分割贈与できる財産である必要があるため、主に現金が対象になります。しかし、子供に年間110万円もの現金を渡してしまうのは心配です。そのため、子供名義の口座に年間110万円づつお金を貯めて、その通帳と印鑑は親が管理するという方法が良く取られていますが、この方法は認められないことも多いので注意が必要です。通帳などを親が管理しているということは、実質的にその財産は親のものであり、通帳などを子供に渡したときに初めて贈与が発生するとみなされるのです。そうなると、多額の贈与税が発生します。

 また、毎年定額を贈与している場合、贈与財産を分割払いしているだけとみなされてしまう(連年贈与)という問題もあります。

 これらの問題の回避法は、少し矛盾する言い方ですが「贈与の実態を作る」ことです。たとえば、年間110万円以下の贈与でも「贈与契約書」を作成しておけば、贈与税のかからない贈与が成立します。また、あえて110万円を少し超えた額の贈与を行い、贈与税を少し(数千円)だけ支払うという方法も有効です。こちらは、税務署が贈与があった事実を認めてくれることになるのです 。

マイホームを共有名義にするときの注意点

 最近、マイホームやマンションを購入した際に、夫婦間で共有名義にするケースが増えているようです。これは、夫婦共働きが増えてきたことによるものです。マイホーム等の不動産は出資者が名義人となるのが原則ですから、夫婦や親子で資金を出し合ってマイホーム等を購入した場合は、その資金割合に応じて共有名義にするのが当然なのです。これを誤解して、夫婦の収入は共有財産だからと夫または妻の単独名義にしてしまうと思わぬ税金を支払うことになります。

 たとえば、マイホームのローンを夫婦がお互いに負担しているにも関わらず名義が夫単独の場合、妻の負担した資金分が夫への贈与とみなされ贈与税が発生する場合があるのです。

 ところで、マイホ−ム等を夫婦共有名義で購入する場合、税務上有利になる制度がいくつかあります。まず、住宅ローン控除(住宅取得等特別控除)を夫婦それぞれが受けることができます。また、マイホームを売却して譲渡益が出た場合には、「居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除」や「居住用財産の買い換え及び交換の特例」も夫婦それぞれが受けることができます。さらに、もし相続税が発生するような場合でも、はじめから財産を分けてあるので有利です。

 しかし、だからといって無理矢理にマイホーム等を共有名義にしてしまうのは問題があります。一方の配偶者が専業主婦(夫)等で無収入の場合、その所有割合分の資金については収入のある配偶者からの贈与とみなされて贈与税が発生する場合があるからです。

 ただし、婚姻期間が20年以上であるなどの要件を満たしている場合は、「贈与税の配偶者控除」を利用すれば無収入の配偶者でも共有名義人になることが可能です。

5000円以内の接待交際費

飲食費等の交際費5000円基準は損か得か?

平成18年度税制改正においては、1人当たり5000円以下の一定の飲食費について交際費から除外されることになりました。従来も「1人当たり概ね3000円」という目安がありましたが、これは明文化された規定では無く、当局が慣例的に運用していたものです。これが、今回はじめて明文化(法令化)されたわけです。

 具体的には、社外の者に振る舞った飲食費等について、その金額が5000円以下であれば接待交際費ではなく、その実態に合わせた費用(会議費、福利厚生費など)にできるということです。

 交際費は、資本金1億円超の大企業では全額が損金不算入ですし、中小企業でも損金に算入できる額が限定されています。基準が3000円から5000円に上がったことは喜ぶべきことなのかもしれません。

 しかし、事はそう簡単ではありません。従来の3000円基準は単なる解釈でした。解釈であれば、そこにある程度の余裕が生まれます。たとえば、3000円以上でも実態が会議費等である場合、また3000円を多少オーバー(3100円など)した場合などは、それを当局に主張することができました。ところが、5000円が法令化されると、その実態がどうであろうと、5000円を超える飲食費等は交際費とされることになりかねません。

 "一人あたり"という基準もクセ者です。これが厳密に運用されると、領収書等に人数や接待相手を書き込むというような対応が必要になります。ただ、それが他の接待(宿泊や記念品など)とセットになっている場合などでは、飲食費分のみを証明することは難しいと思われます。

 この辺は今後の当局の運用を待つしかありませんが、いずれにしても、飲食費等が発生した場合は、その実態(ヒト・モノ・カネ)を分かるようにしておくことが重要になります。

税理士を選ぶときのポイント

 税理士に頼むときには、何をしてくれるのか、料金はどうなっているのか、事前にきちんと説明を受けるべきです。なあなあで契約をしてしまうと、後になってから料金が別にかかることがわかったり、「聞いていなかった」とトラブルになる元です。また逆に、こういった事項をきちんと説明してくれる税理士が、良い税理士だともいえます。いかにそのチェックポイントを掲載します。
1.サービス内容の説明があるか
依頼する事案に対して、税理士がどこまでサービスをしてくれるのかの説明を事前にしっかりと聞いておきましょう。
2.税理士報酬の説明があるか
料金に相談料は含まれるか、記帳代行までしてくれるのか、などのサービス内容の確認をしましょう。あとで書類作成を頼んだとき、追加料金が発生したということがないようにしましょう。
3.得意分野を聞く
税理士にも税務署OB組、試験合格組、などいろいろな経歴の人がいます。当然相続税が得意な人、所得税が得意な人とそれぞれです。依頼する事案に得意な税理士を選べば、効果的なアドバイスが得られることでしょう。
4.見積書がもらえたか
5.契約書を交わしたか
依頼するとき、契約書を交わしていないところも多くありますが、あとでトラブルを避けたい、というときには要求しても良いでしょう。
6.それでも低価格を追求しますか?
魅力ある低価格契約が、低品質サービスというのは、経済の常識。「訪問なく、指導なく、担当なく、顧問なく」と、税理士のサービスをどこまで削って、あなたの危険を大きくしますか?しっかりとした顧問契約をコストパフォーマンスで選びましょう。
7.あなたは、税理士に何を求めるのですか?
遠くから見てもらうだけで大丈夫ですか?本屋にある教科書的な話で解決できますか?それとも近くで「ああでもない、こうでもない」と、手取り足取り自分の知らないこと、失敗しないよう相談する相手が必要ではないですか?フェイストゥフェイスの顧問が、必要ではないですか?
8.はっきりいって会計事務所によってサービス内容はかなり違います。知識や経験はもちろんのこと会計事務所の経営理念や専門性やスタッフの充実度など会計事務所によって様々です。
会計事務所に何を求めるのか、その目的をはっきりさせてあとはその先生との相性で選ぶ方が多いようです。

税理士はどんな仕事をしてくれるのか?

日本税理士会連合会では、税理士の業務について、以下のような分類をしています。
1.税務代理
  税金の申告、申請、請求、不服申し立てなど税務調査や処分に対する主張について代行する業務。
2.税務書類の作成
  申告書等の書類を作成してもらう事。
3.税務相談
  税務に関する申告書等の作成に関して、租税の課税標準等の計算に関する事項について相談してもらう事。
4.会計業務
  財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行その他の事務を行ってもらう事。
5.租税に関する訴訟の補佐人
  租税に関する訴訟において、弁護士と共に出頭・陳述して納税者を補佐する事。

 実際に税理士に依頼をすると、会社や事業者の経営状態を表示する会計書類を作成して、今現在どの程度の売上があってどんな経費がいくらかかって、利益がどれくらい生まれたかを説明してくれるサービスや不利な納税にならない税務申告書の作成をするためのフォローが受けられます。
 それに付随して税金についての説明、節税方法などをアドバイスするサービスです。このサービスについても会計事務所によって異なります。
 具体的には、会計ソフトなどを使って自分で決算書まで作成して、内容のチェックや申告書の作成だけを依頼することも、記帳からすべて依頼することも可能です。
 税務署の税務調査があったら税務調査の立会を頼むこともできます。
 また、そのほかには経営計画書の作成支援や経営に関するアドバイス、資金調達支援や社会保険の加入手続き、役員変更登記や議事録作成手続きなどかなり幅広いサービスを行っています。ただこれも会計事務所によって行っているサービスと行っていないサービスがありますので注意が必要です。

Q&A 法人

Q.会社を作る準備をしています。設立したときは、税務署などへの届出は必要でしょうか?

A.新たに設立された有限会社や株式会社などは、その設立の届出書を、税務署、都道府県、市町村に、それぞれ提出しなければなりません。
 (1)税務署
   @法人設立届出書・・・2ヶ月以内
     ※添付書類として、・定款の写し・登記簿謄本・株主等の名簿・現物出資者名簿・設立趣意書・設立時の貸借対照表・事務所所在地の略図があります。
   A給与支払事務所等の開設届出書・・・給与支払事務所をもうけた日から1ヶ月以内
   B青色申告承認申請書・・・設立の日以後3ヶ月を経過した日と設立事業年度終了の日とのいずれか早い日の前日まで
     (ポイント)設立してから事業年度終了までが3ヶ月に満たない場合には注意して下さい。
   C棚卸資産の評価方法の届出書・・・設立事業年度の申告期限まで、提出しない場合には、最終仕入原価法によります。
   D減価償却資産の償却方法の届出書・・・設立事業年度の申告期限まで、提出しない場合には、定率法によります。
   E源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書・・・適用を受けようとする月の前月末まで
 (2)都道府県、市町村
   @法人設立申告書・・・各市町村の定める日まで(東京23区の場合は、設立の日から15日以内)
     ※添付書類として、・定款の写し・登記簿謄本などがあります。

お問い合わせお待ちしております。

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